『コンスタンティン』レビュー

「キアヌ・リーブスかっこいい!」鑑賞中、思わず私は連れに耳打ちした。キアヌが演じるジョン・コンスタンティンの、あまりの格好よさに黙っていられなくなったのである。

"この世には人の姿をした、天国と地獄の使いが跋扈していて、人間の魂を奪い合っている"というこの映画。「漫画みたい」と思ったなら正解。原作はアメリカンコミックなのだ。

だが、コンスタンティンは一般的なアメコミ・スーパーヒーローのような超人ではない。ハーフ・ブリードと呼ばれるあの世の使いが見分けられ、悪魔祓いが出来る以外はさほど常人と変わらない。地獄のハーフ・ブリードを倒すのも救世のためではなく、ある個人的な理由からである。世界のためではなく自分のため。それ故のやさぐれ感がかもし出すハードボイルド。派手なコスチュームではなく、黒のコートジャケットにネクタイ姿のコンスタンティンは、この世のヒーローに相応しい。

もちろん、この映画で優れているのはキアヌ・リーブスだけではない。ノーブルで中性的な顔立ちをしているティルダ・スウィントンの存在感や、映画デビュー作でありながら、この特異な世界観をフィルム・ノアールの要素を上手く取り入れ、見事に映像化したフランシス・ローレンス監督の手腕も素晴らしい。ロックバンド"ブッシュ"のヴォーカル、ギャビン・ロズデイルが出演しているのも、一部の方にはトピックだろう。

「ジョン・コンスタンティンかっこいい!」あなたも鑑賞中に誰かにそう言いたくなる、そんな格好がいい映画だ。

(そうそう、この映画は場内が完全に明るくなるまで席を立たないほうがいいですよ!)

評点(10点満点)

【8点】コンスタンティンは、ネオよりも格好良い。

タイトル:
『コンスタンティン』レビュー
カテゴリ:
映画
公開日:
2006年09月07日
更新日:
2018年05月30日

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