NAVERまとめを評価するGoogle検索。SEOに大事なのは独自性より人気取り?

なにか美味い飯、たとえば鉄板焼きでも食べに行こうと私は思った。話は1年ほど遡る。

ネット界隈で「これから『NAVERまとめ』がくる」という気運が高まっていた時期に、私も興味をそそられて、まとめ作成に参加していました。『NAVERまとめ』とは、ネット上の情報を切り貼りして、まとめたページを公開できるサービスです。

サービスの仕組み上、漫然とまとめを作成すると、オリジナルなコンテンツがまったくないページが出来上がります。そんなコピペオンリーのまとめよりも、オリジナルの解説があったほうが価値のあるページになると思い、なるべくテキストを書き下ろしていました。

そうやって作成したページを公開していって分かったことが一つあります。それは、オリジナルなテキストなんてこれっぽっちも必要ないってこと。

手抜きしてコピペだけで済ませたページに限って評価されて「注目まとめ」としてトップに掲載されたり、ほかのユーザーから「お気に入り」に登録される数が多かったり……。なるべくインスタントな情報のほうが、『NAVERまとめ』を見る人には好まれるみたい。

そもそも『NAVERまとめ』が提示している下記のコンセプトからしてコピペ前提なのだから、独自性なんて初めから求められてなかった。「オリジナルなテキストには価値がある」なんて、思い違いも甚だしかったわけです。

あまりに多くの情報が溢れ、[…]断片化が進みつづける今、[…]必要な情報にたどり着けないことが多くなりました。情報をみんなが効率よく活用できる未来のために、テーマにあった良い情報を収集、選別し、共有する[…]重要性が[…]語られ始めています。

NAVERまとめとは - 公式ブログ

インセンティブ(奨励金)が発生するネットサービスで、テキトーに作成したほうが評価されるなんてうまい話だ。そう開き直って続けてみたけれど、どうにも内職をさせられている気分になってきて、結局は止めてしまいました。

それから随分と経ってから、放置していたアカウントにふとログインして管理画面を見て手が止まりました。作成したページに想像以上のアクセスが集まっていたのです。なかでも、Google経由のアクセスが毎日数千もあるページがあったのには目を疑いました。

確認してみると、そのページはある検索ワードで1位になっていました。しかも開き直ってからお手軽に作成した、ある題目に沿った画像を並べただけのページだったから驚きです。

コピペだけで構成されたインスタントな情報に飛びつくユーザーがいるのは構いません。頭を使いたくない時って誰でも(もちろん私も)ありますから。でもGoogleは……。ウェブマスターに「独自性を大事にしろ」と偉そうに忠告しているのは何だったのでしょうか。

ただ、件のまとめの題目は、我ながら着眼点が優れていたと思います。Twitterでも継続的に言及される人気のページになっていました。新聞のスクラップに有用性があるように、一つにまとめたことによる面白味が生じたようです。

Googleが警告している手法の中に無断複製されたコンテンツがあります。「他のサイトのコンテンツを流用するな」という警告だけれど、よくよく読むと「ユーザーへの利便性や実質的な付加価値を提供することなく流用する」ことが駄目だとも取れます。

ユーザーの人気を集めるページになっていれば、コンテンツの流用は見逃すとGoogleは暗にいってるのです。思えば、昔から2chまとめブログは検索結果の上位に数多く並んでいました。独自のコンテンツを評価するというのは、Googleの建前に過ぎなかったのです。

立派な理念を掲げて硬直するよりは、泥臭くても現実に即したほうが進歩を遂げられるという、身も蓋もない話なのでしょう。

こうやってブログにテキストをせっせと書くのがなんだか不毛に思えてきました。まあいいや、知らぬ間に貯まっていた『NAVERまとめ』の奨励金で美味い飯でも食べて忘れよう。

タイトル:
NAVERまとめを評価するGoogle検索。SEOに大事なのは独自性より人気取り?
カテゴリ:
ネット
公開日:
2014年03月23日
更新日:
2015年07月08日

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