旭化成のヘーベルメゾン(ALC造)に住んでみた
賃貸物件を探していてなにかと目についたのがヘーベルメゾンです。旭化成の賃貸マンションブランドであるヘーベルメゾンは、どれも「そこそこの家賃」で「なかなかの設備」で魅力を感じました。
その中に条件の合う新築があったので、さっそく内見してみたところ、やっぱり印象が良くて一目で気に入りました。旭化成のメジャー感も相まって、もう即決です。
ところが契約後にふとヘーベルメゾンの口コミを調べると、良い評判ばかりでもありません。どうにもヘーベルメゾン特有のALC造が一癖あって評価が分かれているようです。
そこで実際に入居してみてどうだったのか、住民目線で紹介します。
ALC造イコール鉄骨造⁉
日当たりや窓からの景観、周辺環境や駅からの徒歩時間といった部屋選びのポイントは、当然ながら物件ごとに違います。しかしどのヘーベルメゾンも「ALC造」という特性で共通しています。
ヘーベルメゾンへの入居を考えている人が知りたいのは多分、このALC造の性能、特に防音性でしょう。
おさらいするとALCとは軽量気泡コンクリートのことで、それをパネルに用いた建築が便宜上「ALC造」と呼ばれています。骨組みは基本的に鉄骨です。要するに鉄骨造なんです!
建築構造の防音性を高い順に並べると、一般的には次の順になります。
- 鉄骨鉄筋コンリート造(SRC造)
- 鉄筋コンリート造(RC造)
- 重量鉄骨造(S造)
- 軽量鉄骨造(S造)
- 木造(W造)
ヘーベルメゾンは重量鉄骨造(1)だから、基本性能はそこそこです。
でも私が入居したヘーベルメゾンは、ほかの部屋の生活音がほとんど聞こえない、高い防音性を備えていました。
(1)ヘーベルメゾンのオーナー向け公式サイトによると、3階建て以上のラインナップは重量鉄骨システムラーメン構造です。
防音性
- 【隣室】
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隣室に対する防音性は完璧です。お隣さんが引越し作業をしているのを廊下に出るまで気づかなかったくらいです。
その後も生活音が聞こえたことはありません。
- 【階上】
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上の部屋で引越し作業をしている音はぼんやり聞こえました。引越しスタッフが荷物を持って勢いよくドスドス歩く足音はさすがに響きます。
住民の普段の足音は聞こえません。ただし床に固い物が当たるような音は多少伝わってきます。
話し声やテレビの音などは聞こえません。
- 【階下】
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なにも聞こえません。
- 【外】
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道路に面していない部屋のため、外からする環境音が初めから少なく、判別材料が足りません。
ただし隣室からより、外からの音のほうが聞こえやすいようには感じます。
というのが現在住んでいるヘーベルメゾンの防音性です。入居前にネット見かけた「生活音がだだ漏れで隣人と一緒に住んでいるみたい」というヘーベルメゾンの口コミとは大違いでした。
なぜ評判が分かれるのか
確かにヘーベルメゾンは共通してALC造だけど、すべてが同じ造りなわけではありません。オーナーがどれだけ建築費用を出すかで差は出ます。
この差がそのまま口コミとの差で現れたのでしょう。同じヘーベルメゾンでも当たり外れがある、ということになります。
ただし、旭化成ホームズで新築した賃貸住宅は、旭化成不動産レジデンスが借上げてオーナーに代わって貸主になる、「30年一括借上げシステム」が基本です。
オーナーが表に出ないから、ヘーベルメゾンで騒音問題が出れば、評判を下げるのは旭化成です。オーナーが設備をケチろうとしても、旭化成はできる限り譲歩せずに、防音性を確保しようとするはずです。
それに建築費用が高くなれば旭化成の利益も増えます。
少なくともここ最近に新築されたヘーベルメゾンなら、大外れはないのではないでしょうか。
チェックポイント
結局、ヘーベルメゾンの良し悪しは物件ごとに違う。という結論では芸がないので思うところを書くと、エレベーターが設置されているヘーベルメゾンは要チェックかもしれません。
エレベーターの設置義務が生じるのは高さ31メートルの建築物からです。ヘーベルメゾンのメインランナップである3・4階建てなら、エレベーターは任意の設置となります。
実際、ヘーベルメゾンの多くはエレベーターがありません。
それでもエレベーターを設置しているということは、オーナーが建築費用を惜しまなかったからにほかなりません。これは一つの目安になるでしょう。
審査
ヘーベルメゾンの審査は旭化成不動産レジデンスが行います。
とはいえ審査を担当する旭化成の人に対面することは一度もなく、代理店となっている不動産会社が最後まで仲立ちに入って契約が進みました。
直接対話する不動産会社の人が大丈夫だと判断すれば、そのまま審査が通るような感じでした。
「旭化成の審査は厳しい」という口コミの真偽はわかりません。
結論
結局は物件次第だから、内見して確かめるしかない。という身も蓋もない結論です。でも、ネット上の悪評がすべてのヘーベルメゾンに当てはまるわけではないことは確かです。
気になる物件があるなら、とりあえず内見してみることを勧めます。
ヘーベルメゾンに入居して一か月、今のところ住み心地は良好です。更新までは住み続ける予定なので、今後なにか不満点が生じたら、随時追記します。
【追記】入居から1年間の経験談を「ヘーベルメゾンに1年住んでみた率直な感想」にまとめました。
ということでヘーベルメゾンに住んでみた体験記をひとまず終わります。
補足
ALCとは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略称で、軽量気泡コンクリートのことです。
構造体(躯体)にはならないため、正確には「ALC造」という建築構造は存在しません。ALCをパネルに使った建築の便宜上の呼称です。
前述したように建築構造は基本的に鉄骨なので、「鉄骨ALC工法」とも呼ばれています。
へーベル(HEBEL)は、旭化成が手掛けているALC製厚形パネルの商品名です。
旭化成不動産レジデンスの賃貸マンションが「ヘーベルメゾン」、旭化成ホームズの戸建注文住宅が「ヘーベルハウス」です。これらのパネルには、もちろんへーベルが使われています。
- タイトル:
- 旭化成のヘーベルメゾン(ALC造)に住んでみた
- カテゴリ:
- 住まい
- 公開日:
- 2018年11月03日
- 更新日:
- 2019年10月21日