自作PC未経験者が熱伝導グリスを塗り替えてみた
3年ほど使っているデスクトップPCのビデオカードの温度が、以前よりも高くなってきました。室温は20℃程度なのに、アイドル状態で60℃を超えてしまいます。このぶんだと、夏に重い動画を観ようものなら壊れてしまいそうです。
ビデオカードのファンを掃除しても改善されません。そこで、考えられる原因をネットで調べてみたところ、CPUやGPUを効率よく冷却するために使われている熱伝導グリス(放熱グリス)が経年劣化している可能性があるようです。
ビデオカードの買い替えも視野に入れつつ、まずは駄目元で熱伝導グリスの塗り替えにチャレンジしてみることにしました。
ビデオカードの取り外しと清掃
自作PCは未経験ですが、拡張カードの交換などは経験済みだったので、ビデオカードはさくっと取り外せました。固定用のネジを外して、ビデオカードを引き抜くだけなので、まったくの初心者でも簡単にできます。
ファンを外して驚いたのは、ファンの送風が直接当たっているのはビデオメモリーで、GPUは放熱板で冷却していること。元から温度が高目のビデオカードでしたが、こんな仕組みだったとは。
気を取り直して古い熱伝導グリスを拭き取りました。解説サイトによると、無水エタノールやジッポーオイルを使わないときれいに落とせないとのこと。でも、今回はティッシュで吹くだけで、ぼろぼろとすべて剥がれ落ちました。完全に経年劣化していたようです。
今回、新しく塗る熱伝導グリスに選んだのは次のもの。
サンワサプライ シリコングリス(シルバー) TK-P3S レビュー
一口に熱伝導グリスといっても、たくさん種類がありすぎてどれを選べばいいのやら。そこで、Amazonで1,000円以下の熱伝導グリスを検索して、一番人気だった「サンワサプライ シリコングリス(シルバー) TK-P3S」を購入しました。
TK-P3Sは、熱伝導率の高い銀がはいっています。熱伝導率は6.5W/mKという聞きなれない単位のものですが、安価な割には優秀な値のようです。
注射器に入っているので、手を汚さずに必要な分だけ出せます。これは便利ですね。粘度が適度なので、塗り伸ばしやすかったです。ただ贅沢を言えば、塗布用のヘラを付属して欲しいところ。
Amazonのレビューも高評価ばかりなので、当たりの商品なのでしょう。
さて、いよいよ熱伝導グリスを塗るのにチャレンジです。
塗布
テレホンカードをヘラにするのが定番のようですが、あいにく持ち合わせてなかったので、プラスチックの使い捨てスプーンで塗りました。
熱伝導グリスを塗り広げるのは簡単です。でも厚さを均一にするのは難しい。やはりヘラは、もっとちゃんとしたものが必要です。
塗る量については、ネットでも意見が分かれているので、ケースバイケースのようです。今回は、米粒2つ分塗りました。
多少のムラが気になりつつも、こだわっているときりがないので、これで良しとしました。
結果
熱伝導グリスを塗り替える前は、アイドル状態で60℃を超えていましたが……。
平均して10℃ほど下がりました!それでもまだNVIDIA GeForce GT220としては高温ですが、これは購入時からのもの。先述の冷却ファンの仕組みからいって、これがこのビデオカードの限界っぽい。以前の温度に戻ったので満足の結果です。
また、負荷をかけて温度が上昇してから、アイドル状態に戻したとき、温度が下がるのも速くなりました。
おわりに
というわけで、熱伝導グリスが経年劣化すると冷却がうまくいかなくなることが分かりました。熱伝導グリスの状態でGPUやCPUの温度はかなり変わるようです。
500円ほどの出費と、30分くらいの時間で出来るので試してみる価値あり。長く使っているビデオカードの温度が上がってきたら、買い換える前に熱伝導グリスの塗り替えを試してみてはいかがでしょうか。
- タイトル:
- 自作PC未経験者が熱伝導グリスを塗り替えてみた
- カテゴリ:
- PC
- 公開日:
- 2013年05月20日
- 更新日:
- 2014年08月13日