『50回目のファースト・キス』レビュー

『50回目のファースト・キス』といっても50人とキスするわけではない。一人の相手と、50回のファースト・キス。なぜなら、ヒロインが一日しか記憶をたもてない記憶障害だから…。

「私のことを忘れないで」「片時も君を忘れたことはなかった」なんて恋愛物語でよく見聞きするけれど、もし一晩寝ると前日の出来事を全て忘れてしまう人を好きになったら?心が触れあったことも、ファースト・キスも、それどころか相手の存在すら次の日には忘れてしまう。そんな切ない関係を、心温まるハッピーな物語へと昇華した作品が『50回目のファースト・キス』だ。

作品全体をおおう幸福感のみなもとは、なんといってもヒロインのルーシーを演じるドリュー・バリモアだろう。彼女の天真爛漫な笑顔は魅力的で、見ているだけでこちらにも笑顔が移ってしまうくらい。主人公のヘンリー(アダム・サンドラー)が強烈な一目惚れをしてしまうのも納得のヒロイン像を演じている。そして、そのヒロインを見るときのアダム・サンドラーの優しいまなざしがイイ。自然なたたずまいは天性のものだろう。ひたむきなヘンリーにぴったり、ハマリ役だ。

もう一人の主役と言えるのが、舞台になっているハワイ・オアフ島。のどかで美しい景色で、本作をより気分の良いものにしている。

コメディーでありながらも、前向きに生きることの大切さ、愛し続けることの素晴らしさをサラリと描いている。カップルでの鑑賞にオススメな傑作です。

評点(10点満点)

【8点】幸せな気持ちになれる。

注意!

作中で映画『シックス・センス』のオチをばらしているシーンがあるので要注意です。未見の方は、『シックス・センス』のビデオを観終わったシーンの字幕は読まないように。英語がわかる人は耳もふさぎましょう。

タイトル:
『50回目のファースト・キス』レビュー
カテゴリ:
映画
公開日:
2006年09月13日
更新日:
2018年05月30日

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