『銀河ヒッチハイク・ガイド』レビュー

ネットで見かけるレビューでは、賛否両論の映画版『銀河ヒッチハイク・ガイド』。メタクソにけなしている人も少なからずいましたが、いやいや、この映画は面白いですよ!奇想天外なストーリーをきちんとまとめ上げており、傑作の部類に入る出来栄えです。

完成度の高いVFX(視覚効果)に、どこか懐かしい感じのする旧式のSFX(特殊撮影)を織り交ぜることで、飄々とした世界観を巧く表現しています。ビル・ナイ演じるスラーティバートファーストの仕事場──どんな仕事かは、観てのお楽しみ──のシーンなどは、SF的ダイナミクスにあふれていて感動的なくらい!

一見異色のようだけど、その実、正当派SF映画と言っても差し支えないほど真っ当で、筋の通った作品だと思う。

なのに賛否が分かれているのは、イギリス独特の笑いのセンスが原因か。しかし、海外のコメディ映画を何本か鑑賞されている方なら違和感なく入り込める程度のズレではないでしょうか。

ちなみに監督はブラーの"Coffee & TV"や、ファットボーイ・スリムの"Right Here, Right Now"などのPVを監督したガース・ジェニングス。確かにこれらのPVとテイストが似てますね。それだけ監督が自分オリジナルのカラーを持っているということでしょう。そして本作では、その独自の世界観が遺憾なく発揮されています。

繰り返しますが、『銀河ヒッチハイク・ガイド』は面白い映画です!ネットでの悪評に釣られてスルーするのは惜しい秀作です。

最後にネタを一つ。劇中でスーパー・コンピュータに尋ねていた「人生、宇宙、すべての答え」をGoogle検索すると……!映画を観た方ならニヤリとすること請け合いの検索結果が導き出されます。Googleにこんな仕掛けがあるくらい、原作の小説は多くの人々に愛されているのですね。

評点(10点満点)

【8点】ほんの少しでも気になった人は観るべき。

タイトル:
『銀河ヒッチハイク・ガイド』レビュー
カテゴリ:
映画
公開日:
2006年09月18日
更新日:
2018年05月30日

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