『ロード・オブ・ウォー』レビュー

私はニコラス・ケイジが大大大好き。と言うわけで、映画『ロード・オブ・ウォー』を観ました。ふふふ、やっぱりニコラス・ケイジは良い!!かもし出している雰囲気が、なんとも映画的。映画に出演するために生まれてた人なんだな、多分。

本作は実話をベースにした、武器商人の話。俗に言う「死の商人」ですね。もし、地球外知的生命体が地球生物図鑑を作ったならば、人間は戦争をする生物だと書かれることでしょう。軍隊アリのように、理屈ではなく、そう生まれてきている。もちろん戦争を肯定する訳ではありません。けれど、その人間の特性をまずは認めなければ、戦争を無くすことも出来ない気がします。

『ロード・オブ・ウォー』は反戦映画ですが、主人公の死の商人をまったくの悪人としては描いていない。アメリカに住んでいる普通の人が、日々の仕事として武器を売っている。そこが風刺になっていて、観客に考えることを促しています。ニコラス・ケイジのどこかファニーな風体があってこその映画ですね。下手な役者が演ったら、ただの悪人になっちゃうもの。悪の権化にしてしまうと日常性が薄れ、つまらないものになってしまう。自分と関係のない話ではない。つねに戦争は社会的地続きの場所で起こっている。『ロード・オブ・ウォー』は、このあたりを巧みに描いています。

重いテーマを扱っているけれど、堅苦しくなく、且つ空っぽの映画でもない。なかなかの傑作です。

そうそう!オープニングのシークエンスはスゴイよ!

評点(10点満点)

【7点】アメリカ万歳!にはなってないのでご安心を。

タイトル:
『ロード・オブ・ウォー』レビュー
カテゴリ:
映画
公開日:
2006年09月22日
更新日:
2018年05月30日

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