『SAW2/ソウ2』レビュー

公開と同時に熱狂的なファンを獲得したソリッド・シチュエーション・スリラー『SAW/ソウ』の続編がいよいよ登場した。前作に引き続きサディスティックで残酷なゲームに否応もなく参加させられる犠牲者たち。果たしてゲームの終着地点に待ち受ける真実とは…。

目覚めると出口が塞がれた館
部屋の中央には一つの金庫
周りには見知らぬ男女
そしてゲームの開始を告げるカセットテープ

前作『SAW/ソウ』に思い入れのある方ならば、本作に対して期待よりも不安が大きいのではないか。何せ前作は、原案・監督のジェームズ・ワンと脚本・主演のリー・ワネルが自ら売り込んだ創造性が先立つピュアな作品だ。制作会社の思惑で作られた本作『SAW2/ソウ2』とは出自が違う。しかしながら本作は「続編映画はつまらない」というジンクスを打ち破った。前作を超えてはいないものの、十分に楽しめる快作に仕上がっているのである。

「謎はすべて明かされる!」なんてキャッチコピーが付いているが、前作の謎解きの補完は最小限に留められている。残念というより、むしろファンはイメージを壊されなかったと胸を撫で下ろすことだろう。

そして何より気になるであろう衝撃の結末は、ちゃんと本作にも用意されている。前作の傑作たる所以になったラストのシークエンス。「その衝撃をもう一度!」と劇場に足を向けた観客の期待を裏切らない結末が待っている。前作がたったのワンカットで隠されていた真実を鮮やかに観客に提示したのに比べると、本作の謎解きの描き方は野暮ったいが及第点だろう。ラスト10分でまたもやしてやられたと、悔しくも嬉しい思いをすること請け合いだ。

前作を気に入ったのならば迷うことはない。すぐにでも鑑賞して、ジグソウの新たなゲームを最前列で見届けるのだ。

評点(10点満点)

【7点】前作を気に入ったなら必見。

注意!

本作は前作を鑑賞していることを前提の作りになっています。本作を観る前に、必ず前作を鑑賞しておきましょう

シリーズ

タイトル:
『SAW2/ソウ2』レビュー
カテゴリ:
映画
公開日:
2006年09月21日
更新日:
2018年05月30日

この記事をシェア

あわせて読みたい