『グエロリート』ベック レビュー

『グエロリート』は、『グエロ』のリミックス・アルバム。非常に評価の高かった『グエロ』に比べて、『グエロリート』の評判は芳しくない。そんな低評価が信じられないくらいに私は『グエロリート』が気に入っている。

全曲違うアーティストによってリミックスされているので統一性は低いし、完成度も原曲の方が高い。しかし、その抜け加減が心地良い。最近のベックのアルバムはなんだか出来すぎで、面白みにかけていると感じていたので、『グエロリート』のぶっきら棒で、いい加減な楽曲に惹かれたのだ。

天然な俺流ミュージックを詰め込んだ初期作品『メロウ・ゴールド』のロウ・ファイな感覚を思い出させる。もちろん『グエロリート』のサウンドはハイ・ファイだし、センスも現代的にアップデートされているので懐古趣味的な感じはしない。

音楽に限らず、なにかを改造して作ったもの特有の異物感がかもす格好よさ。そんな感じが好きで、リミックス・バージョンを集めているような人ならハマるはず。時代の波に乗った音楽ではないが、棄てがたい魅力のある佳作だ。

評点(10点満点)

【7点】『オディレイ』より『メロウ・ゴールド』が好きなファンに方におすすめ。

タイトル:
『グエロリート』ベック レビュー
カテゴリ:
音楽
公開日:
2006年12月10日
更新日:
2018年05月30日

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