なぜ、人は一斉にレジに並ぶのか?
以前、ある販売店で仕事をしていたときに、すこし不思議な現象に気が付きました。それは「人は一斉にレジに並び始める」というもの。空いているレジに一人が向かうと、それに誘われるかのように、ほかの人たちもぞろぞろとレジに来るのです。まるで『ハーメルンの笛吹き男』の話のように。
偶然?集団心理?
この現象は、いったいなにが引き起こしているのでしょうか。
これは「あらかじめ店内にいる人たち」が一斉にレジに並ぶ話なので、店舗周辺の交通機関の発着や信号機などによって発生する人の波とは異なります。
印象的な偶然だけが記憶に残ることによる錯覚──例えばデジタル式の時計でぞろ目をよく見るなど──とも違うと考えています。この現象が起きた瞬間を見ると、最初の一人がレジに向かうと、出発の合図が送られたがごとく堰を切ったようにほかの人たちもレジに向かい始める様子が確認できます。偶然では片付けられない作用が見受けられるのです。
では、単に周りの人に釣られる集団心理なのかというと、レジに一斉に向かう人たちは、周りの人たちも同時にレジに集まっていることに気が付いている様子がないから興味深い。おそらく「運悪くレジが混んじゃったな」くらいに思っているはず。
そして、この現象を認識してから驚きの発見がありました。そう、かくいう自分自身も一斉に並ぶ側になることがあったのです。
自分でも気が付かないうちに
それは、飲食店で食後にまったりしているときによく起こります。さあそろそろ出ようかと腰を上げると、申し合わせたかのように周りの人たちも店を出る準備をし始めるのです。
席を立ちあがった後に、ふとこの現象を思い出して辺りを見渡すまで、自分がこの現象に誘い込まれたことに気が付いていませんでした。周りの人たちに合わせて出ようとしたわけではないのです。やはり、この現象の参加者たちは無自覚だったのです。
無意識の行動となると、人間が生まれもった習性のように思えてなりません。
無用な列を避けられる
自分もこの現象に誘い込まれることがあるのを知ってから、飲食店でレジの無用な混雑に巻き込まれることがなくなりました。
自分たちが切っ掛けとなる1組目になったときは速やかにレジに向かい、それに伴う2組目以降だったならレジの列がはけるまで席で話でもしながら待ちます。無用の列に並ぶ必要はないのですから。
というわけで
さて、人はなぜ一斉にレジに並ぶのでしょうか?前述したとおり、これは人間に生まれつき備わった習性が巻き起こす現象なのだと思います。群れを作るための本能的な行動なのでしょう。ただし、これは実体験に基づく皮膚感覚で得た結論にすぎないのであしからず。
というわけで、この現象を知っておけば、飲食店などで無用に列に並ぶのを避けられるため、覚えておいて損はありません。あなたも気が付かないうちに、この現象に誘い込まれているはずですから。
- タイトル:
- なぜ、人は一斉にレジに並ぶのか?
- カテゴリ:
- 心理
- 公開日:
- 2013年09月02日
- 更新日:
- 2014年04月15日