『プロデューサーズ』レビュー

『プロデューサーズ』はミュージカル映画。日本では今ひとつ人気のないジャンルですが、本作は食わず嫌いするのは勿体無い、なかなかの良作でした。

───1959年のニューヨーク。作品がコケたほうが儲かるカラクリを会計士(マシュー・ブロデリック)から聞いた落ち目の舞台プロデューサー(ネイサン・レイン)は、史上最低のミュージカルを作ろうとするが───

最近のミュージカル映画は、映画ならではの演出を加えて舞台と差別化することが多いのですが、『プロデューサーズ』は映画的演出を必要最低限に抑え、ブロードウェイ・ミュージカルをそのままスクリーンに映し出したような作品になっています。俳優の仕草はいちいち大げさで、カメラではなく観客に向けた演技をしているし、突然歌いだす理由付けもなく、のっけから歌いまくりで、実にシアトリカルな仕上がりです。

それもそのはず、本作はブロードウェイ・ミュージカルの映画版なのですが、ブロードウェイ版の演出・振り付けを手掛けたスーザン・ストローマンがメガフォンを取り、オリジナルキャストの主役二人が本作でも主演を演じています。今風のミュージカル映画ではなく、往年の名作を彷彿とさせるような作品を目指して制作されたようです。

肝心のミュージカルシーンは文句なしの出来。ミュージカルナンバーは「I Wanna Be a Producer」を始めとして、観終わったあともしばらく頭の中をぐるぐると鳴り続けるくらいに印象な曲ばかり。ダンスあり、タップあり、笑いありで、観賞後に思わず歌って踊りたくなるハッピーな一作です。

評点(10点満点)

【7点】100%ピュアなミュージカル。

余談

『プロデューサーズ』のオリジナル版は、メル・ブルックスが監督・脚本を手掛けた1968年の劇場映画。その映画を元にして2001年にメル・ブルックス自身の脚本、作詞作曲で舞台化。その舞台版を元に再度映画化したのが今回の『プロデューサーズ』。ちなみに本作のプロデューサーはメル・ブルックスとジョナサン・サンガーです。

タイトル:
『プロデューサーズ』レビュー
カテゴリ:
映画
公開日:
2006年09月27日
更新日:
2018年05月30日

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