『エレクトロプランクトン』岩井俊雄 レビュー

『エレクトロプランクトン』は、携帯ゲーム機のニンテンドーDS用ソフトである。ではゲームなのかというと、そうではない。メディアアーティストの岩井俊雄が制作しているからアート作品?いや、それも少し違う。

たぶん一番近いのは、トイザらスに並んでいるような、音が出るオモチャ。さわると音が鳴って楽しくて、画面にはかわいいプランクトンたちが踊っている。『エレクトロプランクトン』はそんなソフトだ。

登場する10種類の電子プランクトンは、それぞれのルールで音を発生する。プレイヤーは突っつき、波を起こし、声を掛け、小さなプランクトンの世界に介入する。そして、その音と映像にひたるのだ。

5分ほど遊んでみて、「だから、なんなの?」と冷める人もいれば、ちょっと感動しちゃう人もいるだろう。どっちの反応が正しい、ということはなく、もって生まれた嗜好性によるものだと思う。

「深層心理を映し出す、鏡のようなソフトなのかもしれない」と言ったら大げさだろうか。

起動時のメーカーロゴ表示がない。説明書にライナーノーツ(!)が載っている。などなど、純然たるゲームではないからこそ、実現したであろう部分も多い。こんなソフトが任天堂から出るなんて、ちょっと面白いことになってきた。

評点(10点満点)

【7点】0点を付ける人がいても不思議じゃない。

補足

『エレクトロプランクトン』は、音楽製作ソフトをカリカチュアライズしたものだ。同じ基本思想で、岩井俊雄氏は以前にもiアプリとワンダースワンで『テノリオン』というソフトを制作している。

『テノリオン』クローンソフトの『ミドリオン』がVectorからダウンロードできるので、興味を持った方は、プレイしてみては?Windows用のフリーソフトで、時間を忘れて遊んでしまう面白いソフトだ。

タイトル:
『エレクトロプランクトン』岩井俊雄 レビュー
カテゴリ:
ゲーム
公開日:
2006年09月04日
更新日:
2018年05月30日

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