『テッド』感想: 世界一ダメなテディベア、出没

命が宿ったテディベアと、大人の男の友情を描くコメディ映画だって?命が宿ったおもちゃを描く映画は数あれど、そんなのは聞いたことがない。なんて魅力的な題材なんだろう!

あらすじ

8歳の少年ジョン・ベネットは、いつだって一人ぼっち。1985年のクリスマスにもらったテディベアを気に入ったジョンは、「本当の友達になれたらいいのに」と星に願いをこめた。あくる朝、ジョンが目覚めると、そこには命が宿ったテディベアがいた。

永遠の友情を誓う二人。そして時は流れ2012年……。

悪友と下ネタ

ジョンと、テディベアのテッドは、まさに男同士の悪友。先のことより、今このときが大事とばかり、ビール片手にバカ話で盛り上がる。「ああ、こういうの楽しいよね!」ってなる男友達あるあるネタが満載でニヤニヤできます。

二人のやり取りがピンと来なくたって、テッドの見た目と行動のギャップに笑えるはず。

そんな感じの二人だから、当然の成り行きで下ネタだって盛りだくさん。それも、フェラして飲むだの飲まないだのっていう直接的なものばかり。おまけに二人はドラッグをキメまくるし、それはもうR指定も納得の内容です。

下ネタが苦手な人でも、テッドの愛らしさ──なんせテディベアだし──で許せるかも?下品なネタで気兼ねなく笑えるから、同性と観たほうが気軽でしょう。

男の男による男のための映画

『テッド』には男のバカな部分が詰まってる。それも自虐じゃなくって「これが俺らなんだよ!」という開き直りで。これに付き合わされるヒロインのロリーはたまったもんじゃない。なんせ三人で同居してるんだもの。

このロリーを決して邪魔者扱いしないのが気に入った。テッドは、ジョンにとってかけがえのない友達。でもロリーはそれにも勝る存在なのだ。徹底的に男目線の映画だけど、人生のパートナーとなる女性の大切さも分かってる。

女子には理解しがたいジョークや、眉をしかめそうな下ネタだらけでも、ロリーへの視線の温かさがあるから、女性客にも受け入れられたのでしょう。

女性客にも受けたわけ

洋画の興行成績が落ちてきている状況で『テッド』はなぜか大ヒット。それも、『ハングオーバー!』以降に増えた「大人の男のためのコメディ」で、本国アメリカでは人気があっても、ここ日本では集客力が低いジャンルなのに。

そのことが観るまでは不思議でしょうがなかったのだけど、鑑賞して納得。先ほどの「ロリーへの視線の温かさ」もあるけど、それ以上に「しゃべるテディベア」が日本の「かわいい文化」にハマったんですね。

クマのぬいぐるみのダッフィーが東京ディズニーシーの集客率を一躍アップさせた前例もあるし、おそるべし!クマ!

でも、これがまんまとかわいいんですよ。アパートの廊下で寂しげにジョンを見送るテッドは、思わず駆け寄って抱きしめたくなりました。

ネタバレ

少年ジョンが、命が宿ったテディベアを世に隠さないのが面白い。両親がテッドを初めて見るシーンは傑作だった。テッドが、すんなり社会に受け入れられる世界観が新鮮だし素敵です。

ちょい役がやたらと豪華なのには驚かされました。ライアン・レイノルズの扱いのひどさに爆笑。「(男の)同僚がソファでグリーン・ランタンとやってる」って!

ノラ・ジョーンズも本人役で出演してるし、監督・脚本のセス・マクファーレンの人望はすごいですね。

すったもんだあって死んで(?)しまったテッドに再び命を宿したのが、ほかでもないロリーの願いだというのがポイント。テッドに象徴される男の困った部分も丸ごと恋人に受け入れて欲しい、というセス・マクファーレンの願望の表われか。

でも前述したとおり、これは男のための映画なのだからこれでいいのだ。

お気に入り度

アメリカでの公開から随分と待たされた分の期待に応える傑作でした。キャラクターは破天荒だけど、映画の作りは意外にも堅実。お気に入り度は75%です。

タイトル:
『テッド』感想: 世界一ダメなテディベア、出没
カテゴリ:
映画
公開日:
2013年02月26日
更新日:
2014年04月15日

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