ドラマ『クロユリ団地~序章~』第12話(最終回)感想

ネタバレあり

最終回となる第12話では、ミノルくんの死の真相が明らかになりました。とはいえ、その真相を知りたくなるような仕掛けが、第11話までにほとんど施されてきていません。そういうわけで「( ´_ゝ`) フーン」てな感じです。伏線なき真相にはドラマ性がありませんから。

ミノルくんこと木下稔の死の真相は、「母親に突き飛ばされたときに後頭部を強打して死亡。その遺体をダストボックスに捨てて焼却させ、事故死に偽装した」というもの。

母親に突き飛ばされたミノルくんが、後頭部をぶつけて死亡するシーンのリアリティのなさには驚きました。いくらなんでも衝撃が弱すぎる。あの程度で即死だなんて無理がありすぎです。

おそらく、子供に対する暴力描写は規制が厳しいのでしょう。そういった規制は理解できます。なので、そもそも恐怖の対象を子供にするべきではなかった。視覚的な恐怖感も弱く、表現に制限がかかるのでは、ホラーとして成立させるのは難しい。

また、今まで信じられていた「焼却炉で生きたまま焼かれてしまった」という表向きの理由よりも、真相のほうが怖くないってホラーとしていかがなものか。母親に明確な殺意はなく、過失致死だったわけですし。

ただ、真相のほうが悲しい。今まで観ていて何度か思ったとおり、『クロユリ団地~序章~』はホラーではなくて、心霊現象を題材にした人間ドラマにしたかったのでしょうかね。人間描写がもっときっちりしていれば、それはそれでありなのだけれど。

エピローグでは、前田敦子さんが演じる映画版の主人公である二宮明日香が登場。これは本当におまけ程度でした。せっかく映画版に興味を持たせるチャンスなのに、ドラマ性はほぼゼロで、ただ登場するだけ。最後まで空回りし続けたドラマでした。

クロユリ団地
ノベライズ:
堀江純子
脚本:
加藤淳也, 三宅隆太

老朽化した団地を舞台に孤独が呼び寄せる恐怖の連鎖を描くジャパニーズホラーのノベライズ作品。

あらすじ

井村陽介と共に黒百合団地を訪れた小林とも江。小林は、ミノルの実の母親だったのだ。すべてを終わらせるべく、13年前までミノルが生活していた部屋に二人が入ると、ミノルが突如現れ、井村をどこかへ引きずり込んでしまう。井村が気が付くと13年前の黒百合団地にいた。そこで井村が見た真実とは……。

タイトル:
ドラマ『クロユリ団地~序章~』第12話(最終回)感想
カテゴリ:
テレビ
公開日:
2013年07月10日
更新日:
2018年04月02日

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