王子: 都電荒川線に乗って

都電荒川線の沿線は、『モヤモヤさまぁ~ず2』でもお馴染み、まったり街歩きに持って来いのエリアです。今回は飛鳥山公園の渋沢史料館をメインの目的にして、都電荒川線の王子駅前停留場に隣接しているJR王子駅からスタートです。

音無親水公園

JR王子駅の西側へ歩き始めてすぐ、気持ち良さそうな親水公園が見えてきました。石神井川の旧流路に整備された音無親水公園です。「日本の都市公園100選」の一つとのこと。園内を流れる小川は、濾過装置を通したものだそうで、たしかに水がきれいです。

夏日の日曜とあって、えらくにぎわっていました。カメラをどこに向けても人が写りこむから、引きの画しか撮れなかったくらい。水遊びに興じる子供たちから、足を流れに入れて涼を取っている大人まで、それぞれとても楽しそう。

音無親水公園の小川は、JR王子駅の下(写真奥)をくぐって、その先で石神井川の本流へ合流するようです。人が川辺に下りれない駅の近くの流れには、なんと沢山のカニが生息していました。こんな街中の、それも人工の小川にカニがいるのは珍しいのでは?水がきれいならば、自然に生き物が戻ってくるのですね。

王子神社

音無親水公園から王子神社へ向かう階段の途中にはなんとも立派なイチョウがありました。東京都指定の天然記念物とのこと。しばらく見入ってしまいました。巨木ズキにはたまらない一本です。

階段を上り、王子神社にご挨拶して散歩の再開です。

喜久家

図書館で借りてきた街歩きガイドの『ちい散歩2』も参考にしながら王子を歩きます。『ちい散歩2』に掲載されていたケーキ屋のランギャールへ向かう途中、前を通りすがった蕎麦屋の喜久家にピンときたので、ここで昼食です。

喜久家は地元で人気の蕎麦屋らしく、とても繁盛しています。エビたっぷりのかき揚げが印象的な、なかなかの良店でした。

ちい散歩2
監修者:
地井武男
出版社:
実業之日本社

朝の人気番組だった『ちい散歩』をそのまま本にした大好評シリーズ第2弾。東京西部や、王子などの北部を収録。番組で訪れた場所はもちろん、新たなスポットも加えて再編集しました。

ランギャール

喜久家から徒歩2分ほどでケーキ屋のランギャールへ到着。こちらも王子の人気店で、ロールケーキの「おうじロール」が有名です。エメラルドグリーンが鮮やかなドアと、ニコニコと愛想が良い店員さんが印象的でした。

イートインがないため、次は公園へ向かいます。

名主の滝公園

ランギャールで買ったケーキを公園で食べようと、名主(なぬし)の滝公園を訪れました。名主の滝公園には、男滝(おだき)、女滝(めだき)、独鈷の滝(どっこのたき)、湧玉の滝(ゆうぎょくのたき)の4つの滝があります。滝が好きなので、整備された人工の滝とはいえ、期待が高まります。

ところが、独鈷の滝と湧玉の滝は休止中。しかも、写真の薬医門から入った辺りは、気がよどんでいて、とてもじゃないけどケーキを食べる雰囲気ではありません。二つの滝を止めているせいで、気の流れが停滞しているのでしょうか。

気の晴れている場所を探して園内を歩いていると、男滝に到着。男滝の周辺はすがすがしくて、先程の嫌な空気がうそのようです。ここでは、流れの下まで入って水遊びすることもできます。

ポンプで水を汲み上げた人工の滝とのことですが、水道ではなく地下水を使っているからか、自然の滝さながらの清涼な流れを感じられました。

渋沢史料館

渋沢史料館のある飛鳥山公園へ到着。ここにも水遊びができる施設があって、たくさんの子供たちでにぎわっていました。王子は親水施設が多いですね。

渋沢史料館には、大正建築の青淵文庫(せいえんぶんこ)と晩香廬(ばんこうろ)をお目当てに訪れました。写真は青淵文庫です。双方とも細部に意匠が凝らされて、見応えがあります。青淵文庫と晩香廬の公開は午後3時45分までだったので、滑り込みで見学しました。閉館時間が早いので、観に行く際はご注意を。

飛鳥山公園モノレール

飛鳥山公園は、文字どおり山(正確には丘ですが)なので、高齢者の方などが利用しやすいようにモノレールが用意されています。

正式名称は「飛鳥山公園モノレール」ですが、「あすかパークレール」の愛称で知られています。また、車両はカタツムリに似ていることから「アスカルゴ」と呼ばれていて、結局なんて呼べば良いのかよく分からない事態になってますね。

乗車は誰でもオッケー。無料で利用できます。なもんで、乗り物好きな子供が何往復も乗っていました。標高差17.4m、片道2分という短さが珍しく、大人もときめく大人気のモノレールです。

周辺地図

  1. 音無親水公園
  2. 王子神社
  3. 喜久家
  4. ランギャール
  5. 名主の滝公園
  6. 渋沢史料館(飛鳥山公園)

後記

特に狙って歩いたわけではないのに、今回訪れた公園にはすべて親水施設がありました。北区の道路公園課によると、北区には水遊びができる公園が11箇所もあるんだとか。王子周辺は、その昔、水が豊かな土地として知られていたそうなので、その名残でしょうか。

子供が喜ぶ親水公園だけではなく、王子神社の大イチョウや、落語の『王子の狐』で知られている王子稲荷神社など、大人の街歩きスポットもあります。

というわけで東京北区の王子は、見所が多くて歩き甲斐のある、街歩きに打って付けの散策エリアでした。

タイトル:
王子: 都電荒川線に乗って
カテゴリ:
街歩き
公開日:
2013年08月05日
更新日:
2014年04月15日

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